劇照は楽し | 蛾衣の京劇衣箱

劇照は楽し

今日のお題は劇照です。これは中国語なんですけど日本語に訳すと多分「コスプレ写真」となるのかな?つまり京劇メイクをして豪華絢爛な衣装を身に着けて一瞬でも京劇役者の雰囲気を味わえると言うもの。
国内ではチャイナスターさんが老舗、でも私は北京でしか劇照したことが無いんでここでお話するのは北京で劇照する時の話ですのでご注意を。
しかし、単なるコスプレと舐めてはイケマセン!軽い気持ちでやると偉いことになります。(ちょっとオーバーか?)
注意事項
     1、綺麗な洋服を着て行ってはいけない。
     2、体調が悪い時も駄目。
     3、固定概念は捨てる。
     4、緊張は表情を硬くするので笑顔を忘れずリラックス。
     
では解説しよう。
1、メイクはドウランを塗りますし場所によっては手首までたっぷりと塗りますので洋服に付いたら簡単には落ちないです。また、テカリを押さえるのに白粉を大量に使います。シャツは胸元の開くタイプがお勧めです。

2、京劇で大変なのは頭部を作る時です。まず羽二重に似たものでキツク頭を縛ります。2巻き目にこめかみを上に吊り上げまた縛る。ピエンズと言う髪の毛に似せた物を額、モミアゲに貼り付け顔の輪郭を整えピエンズがズレナイようにもう一巻き!更に水紗と言う黒い布を巻きつけ紐を隠します。楊貴妃などをやると冠を被りますがそれも落ちないようにしっかりと結びます。以上のように幾重にも紐で頭を縛るので頭痛、吐き気など気分が悪くなる人もいます。

3、自分は背が高い低い痩せてる、太ってる、男だから女だからこの扮装は駄目、似合わない、衣装が着れない!と勝手に思っては損をします。京劇の衣装は非常にアバウトなもので余程で無い限り着用可能です。女性は女役、男性は男役と言うこともありません。もともと京劇は男の世界で女性役は男がやってましたので何の問題もありません。逆に宝塚のように男性役をこよなく愛し男装する麗人も多数おられます。要は成り切った者の勝ちと言うことですね。

4、カメラは正直で結構その時の気持ちをしっかりと表情に捉えます。緊張しすぎると笑みが失われ折角の写真が台無しです。劇照自体を楽しいと思えると自然に笑顔がこぼれてしまいます。しかし慣れないポーズを取らせれたりして身体が悲鳴を上げている状況では無理な話かも?

しかし、そこは向こうもプロですからそれなりに写してくれます。画像の私ですが今年47歳のオッサンで身長173センチ体重70kgで京劇の基本動作もまったく出来ませんけどこんな感じになります。
どうです?ハリウッドも真っ青って感じですね(笑)