劇照一家北京珍道中3 | 蛾衣の京劇衣箱

劇照一家北京珍道中3

さて、続きだがどうやら記憶回路が壊れているらしくお昼からの観劇が抜けていたので時間を巻き戻してみる。(笑)

劇照を終えた我々が向かった先は前門老火車站劇場だった。早い話、小判鮫なんでママと娘の後を着いて行くので何処へ行くのか判らんかった。でビルの3階に上がると劇場の入り口があり扉の奥から京劇の

唱が聞こえる。受付の兄ちゃんからパンフを貰うと中に入れと言うので覗くと本番前の練習中と見た。しかもどうやらタダ、無料らしい。ラッキー!!タダで京劇が見れると思わんかった。


何故?パンフには北京青年京劇愛好者倶楽部の文字。そっか!アマチュアの公演なんだ。これなら肩の力を抜いて観劇が出来ると言うものだ。取り合えず食事の為に一度外へ出て空腹を満たし劇場に戻ると結構客が入ってる。中には花束を持った青年の姿も見える。客層も昨日の長安大劇院の観光客と違い出演者の親戚や友人で占められているようだ。


劇は「玉堂春」で言葉が判らないオイラの苦手なタイプの劇だった。(苦笑)それでも旦の衣装が綺麗だったら興味があるんだが地味な女罪衣では瞼が重くなるのは自然の成り行き(笑)それに第一部で主役が男旦で贔屓目に見ても男顔。まあ、タダだし小判鮫なんで文句は言わない。それに事前に娘とママが見たい物を見る約束なんでね。


「あっつ!!大変!」ママの叫びで深い眠りから覚めた。(汗)どうやら今日のメイン劇装街での注文見本をホテルに忘れたらしい。ほんでもってママは退場、娘と二人で再び眠りに就こうとしたが第二部がどうもおかしい?主役が替わったのだが顔が変だ。三遊亭楽太郎そっくりな男性が演じているぞ!会場もざわめいている。オイラの方が綺麗じゃん!(爆)


この楽太郎、どうもいけない。声はまあまあだが歌い出しを間違えたりとその度に会場がざわめく。楽士の兄ちゃんも笑ってる。しかし、ここで救世主が現れた。準主役の裁判官?がヒデロウみたいで動作が妙にオカマチックなのだ。彼が良い味を出し会場が盛り上がる。


しかし、伏兵現る!!娘が耳打ちした「右前方でアベックがイチャついてる」言われた方をみると不自然にめり込む男女のカップル。口元は見えぬが首の角度と接点を想像するとキッスオブファイアーの真っ最中だ。

更に女性は目を閉じて表情はもはや陶酔状態。中国の青年も侮りがたし!!流石13億だ(笑)


劇も観たいがカップルも気になる。京劇とラブシーンが同時に見れるとは思わなかったよ(笑)で、テニスの観客状態で我々の眼は舞台と客席を激しく移動。舞台も負けじと盛り上がるし二人もドンドン盛り上がる。

気が付くとアベックの周りから人が居なくなった。10mくらいの真ん中にアベック、右におばちゃん、左に2人おばちゃん。突然、左のおばちゃんが立ち上がり何かを叫んだ。おっ?遂にアベックの痴態に切れたおばちゃんが乱入か?と思いきや左のおばちゃんに席が空いてるからこっちへ来い!ってな会話だったらしい。

(苦笑)


我々も先ほどまでの眠気も完全に飛び舞台のヒデロウに注目しつつアベックを応援すると言う忙しい状況で最後には7.3でアベックに気を取られてしまった(苦笑)しかし、そこは中国共産党だ。アベックは最後の一線を越えることなく二人で座席にうずくまってしまったので我々は男性の健闘を祈って後ろ髪を引かれながら会場を後にしたのである。


ビルを出てママを待つ我々の会話は当然あのカップルとヒデロウのことだ。ほどなくママが合流するも我々の意味深な会話を理解出来ないママは一人不貞腐れていた。(笑)ごめんね。


お詫びと訂正  珍道中2でママが新しい店を開拓と書きましたが娘が発見、ママが予約の間違えでした。

どうもすいません。