クリスマス大作戦2 | 蛾衣の京劇衣箱

クリスマス大作戦2

さて、北京2日目だ。8時に起床してホテルのレストランで朝食を摂り今日のイベントに備えるのだ。秘密兵器(鮭茶漬け)を懐に忍ばせお粥で軽めの食事(笑)これ結構美味しいのだ。しかし、独りの食事はなんか虚しい。(涙)ティファニーで朝食を!なんて気分にはならん(笑)


劇照の予定は午後1時の予約でMUMUさんがしてくれてるので安心なんだけど最近の交通事情(大渋滞)があるので早めにホテルを出ることに。しかし、サービスの喫茶無料券が付いてるし後は朝から忙しい2日間なんで気持ちを落ち着けようとロビーの喫茶でコーシーを飲む。女給さん(古い)は制服なんだけど何故かみんなサンタの帽子を被ってる。このミスマッチが中国らしくて好きです(笑)


コーシーを飲みながら過去の劇照写真を眺めてる(ナルちゃん)と後に人の気配を感じ振り向けば笑顔の女給さんが居た。興味があるらしいのでアルバムを渡すと嬉しそうに眺めてる。ジェスチャーでそれは私だと教えると彼女は驚きこれが一番綺麗だと1枚を選んだ。この瞬間が堪らない蛾衣でした(笑)


ドアボーイに行き先の名刺を見せてタクシーを呼んで貰いいざ劇照店へ!しかし、想像よりは渋滞も無く11時半には現地に到着してしまった。うーむ、困ったぞ。時間を潰そうにも言葉がアカンので行く所もない。

仕方無いのでまずは劇照店に荷物(衣装8着と小物、靴2足)を預かって貰おうと向かうが2階の入り口自体に鍵が掛かって入れない。何だ???隣の食堂からお姉さんが何か言ってる。どうやらそこからは入れないようだ。


一度1階に降りて別の入り口から2回に上がり無事に到着。しかしまだ12時だ。約束の時間まで1時間も早い。仕方なく荷物を担いで再度別の入り口に戻り食堂で腹ごしらえすることに。相変わらず北京語はまったく話せないがそこは度胸で何とか羊肉麺を1個(5元)注文に成功(苦笑)先月はママと娘の3人で食べた味だなあ、、、と感傷に浸りながら麺をすする。


程なく奥の席に劇照店のお二人が食事に現れた!これはチャンス!と思ったが言葉の壁を思い出し彼らが店を出るまで待機。ああっ、自分が情けなくなる瞬間です。で、約束の時間より30分早く劇照店のドアを開けるとお二人は笑顔で迎えてくれた(嬉)お土産を渡して早速戦闘開始(笑)何せ今回は無謀にも「鳳還巣」の程雪娥をやる予定なので時間が掛かる事は必然だ。


まずは兵器の確認とばかりにバッグから衣装を取り出すが文化撮影城とは違って掛けるスペースが無いので1着づつ出し着替えることに。まあ、衣装持参で来る方が悪いんだけどね(笑)さあ、メイクからですが今日は貸切状態なんで奥さんも気合が入ってる。言葉が通じないのはお互い承知なんだけど雰囲気はビンビン伝わるのだ。


で、何時もなら眉を少し切っても良いか?と尋ねられるのだが今日は無言で切り始めるではないか。「奥さん!俺は男です!普段の生活に支障が無い程度にお願いしま~す!!」と心で叫んだがまな板の鯉状態でジョキジョキと鋏の音を聞くのみ(涙)美しくなるためには犠牲が付き物だと自分に言い聞かせるもメイクを落とした顔は想像したくなかったです(泣)


今回の注文はバストショット3枚と全身3枚の6枚を1セットで撮る事。ここのカメラマンは腕が良く今一番好きな写真を撮ってくれるので無理難題を聞いてくれる。まずは楊貴妃の宮装から始めたのだがポーズも私の好きなものを指導してくれて嬉しかったです。まあ、完璧にはこなせない(本当の姿勢は役者さんでは無いので維持出来ない)ので簡易ポーズでそれらしく写してくれる。


この時も己の至らなさを痛感するんだなあ。折角良い指導をして貰ってるのに体が言う事を利かない。ちゃんと京劇を習っている娘やママの劇照を見る度に自分の写真と切実に違いが映し出される。進歩が無い男だ。努力せねばと思うが道は険しいね。


今回は前回までとは違い色々な試みをした。一つは指輪の装着。本で役者さんの写真を見ると結構指輪をしてるのよ。でも、問題がある。オイラは男で手がデカイ!つまり指もゴツイし太いのだ。が、友人のざおざおさんがプレゼントしてくれた指輪は調節が利くタイプなんでそれをしたいと取り出すと奥さんは笑顔で承知して2個じゃ寂しいとお店の指輪も出してくれて左右に合計4個の指輪が光る(笑)これでまた願いが一つ叶ったね。


次はお馴染み白蛇伝の白素貞で今回が2度目だ。前回は文化撮影城だったが彩球(白いボンボリ)が無残に煤けており衣装と合わなかったので今日はリベンジの意味合いもあったのだ。剣も腰から下げた姿で撮影し満足。でもママの青蛇が居ないのが残念だけどさ。やっぱり青蛇が居ないと白蛇は駄目です(苦笑)


それで最後は程雪娥で劇中と同じに6着の衣替えを敢行!振り付けの奥さんとカメラマンを悩ませながらも無事撮影は終了。やっぱり衣装の色が違うだけで同じ化粧と役では変化を付けるのは大変だよね(苦笑)

最後の1着で撮影が終わった時はもうフラフラで気力も体力も残ってませんでした。


片付けをしながらお二人は頭が痛くないか?と身振りで聞いてきたが私は大丈夫と笑顔で答えた。実際ホテルのパーティでは5時間近く扮装しているので長時間でも慣れているんだ。(笑)頭が痛くて吐くと教えられたが私は鈍いのか軽い頭痛くらいなもんで済んでいる。メイクを落として一息付くと時計は午後5時を回っていた。つまり約5時間掛かったんだね。疲れるはずだ(苦笑)