クリスマス大作戦4 | 蛾衣の京劇衣箱

クリスマス大作戦4

さて、北京実質2日目の朝だ。今日も気合十分です。(笑)今日のスケジュールはMUMUさんを1日拘束して買い物三昧じゃ。約束の時間にはまだ早かったが8時半にはフロントで両替。昨日の事があったんで少し早目に待ってようか?と思って喫茶コーナーを見るとMUMUさんの後姿。こりゃあヤバイっす!彼女も交通事情を心配して早くに出たんだね。感謝です。


外の気温はマイナスの世界。ホテルから劇装街まで歩いて10分少々だがこの寒さの中、お世話になる人を歩かせる訳にもイカン!で、タクシーに乗った。それも2.0だ。??と思う方のために解説しよう。北京のタクシーには3種類あり日本で言う大型中型小型を2.0、1.6、1.2の表示で分けているんだ。


普段なら絶対に乗らない2.0だが初乗り料金で行く距離なんで贅沢気分で乗ってみる。(笑)でも日本と違ってドアはセルフで開けますねん(爆)運ちゃん曰く「料金は高いけど事故にあっても安心だぜ。電話くれたら空港までOKだ」でもね、運ちゃん、ワシはパックツアーなんで送迎込みなんよ。名刺はゴミ箱行きです。


我々の向かった先は老舗の「久春」創業100年以上を誇るお店で私が一番好きなお店です。何が好きかって?そりゃあお店の雰囲気です。何時も衣装をオーダーするのは劉さんのお店なんですが非常に緊張しますねえ。だって良い衣装を作るのはお店との勝負だと思うので劉さんのお店に居る時は戦闘態勢を常に取っているのです。(笑)


お店に入ると90歳を越えてご健勝なおばあちゃんが笑顔で迎えてくれた。60歳を越えるおばちゃんも少し遅れて登場。まずはお土産を渡してご挨拶。今回の目的は前回劇照店を紹介してくれたおばちゃん(劇迷)にその時の写真を渡してもらうこと。そして前回オーダーした衣装の受け取り。そして新しい衣装のオーダーと小物の買出し。


劇照店を紹介してくれたおばちゃんは毎年冬に北京を訪れるそうで来たら写真を渡してとお願いした。あのおばちゃんに逢わなければ昨日の劇照は無かったね。それと今回初めて劉さんのお店以外で衣装を作ったのを受け取りに来ました。今まで20数着衣装を作りました。とても良い衣装だと思ってますけれど比較対象するものが無いと比べることが出来ません。


例えるなら一番最初にベンツに乗り以後ずーっとベンツの人間がベンツは良い車だと言われてもトヨタ、ニッサン等に乗ってみないとベンツの良さは判らないでしょ?それで試しに1着久春でオーダーしてみたんです。これからも劉さんのところで衣装を作ります(もう既に6着オーダー済み)ですけど別のところでも作りたいですね。コレクター魂ってでも言うのですかねえ。色々作りたいですね。


2時間ほど久春でまったりした後、メインイベントの劉さんのお店に突撃!今回の目的は冠、前に穆桂英の女靠を作ったのだが七星額子は一人で扮装するには不向きなのが判明。つまり後頭部が作れないのだ。

それで後頭部隠しに前は七星額子、後は胡蝶クイと言う掟破りの冠を発注したのだ。これさえ出来れば一人の扮装も怖くない(笑)


他にピンクの改良女靠と孔雀心女蟒と旧型女蟒、お店で見た綺麗な孔雀の女蟒の写真を元に刺繍を追加して頼んでみた。全部で約2万元でした。(涙)これが3月なら2000元は安く上がったんだけどね(残念)

完成は6月近くなると言うが急がないので良い物を作ってくれるように依頼。これで半年は楽しめますね。


で、劉さんのお店でオーダーも無事に終わり食事に行こうとしたら若社長が食事に行こうと提案されて面白い話でも聞けるかと快諾。若社長は衣装だけでなく食材にも詳しく料理の解説までしてくれて楽しく昼食。

最近のクリスマス事情とか春節の爆竹が解禁になったとかMUMUさんの通訳で色々なお話をしました。


お店に戻ると劉店主さんが居てまた話に花が咲いた。それで宋小川先生の写真を見せると次回は温如華先生と逢えるようにセッティングしてくれるそうだ。それは素晴らしい話で是非実現できたらと思うし逢って男旦のお話を聞いてみたいです。


劇装街を後にした我々が向かったのは王府井で私のお土産を買う為に案内して貰ったのだ。お土産なら空港でも買えるのだがやっぱり高いもんね。それなら良い物を安いところで沢山の友人に買った方が有意義ってもんです。空港のお土産って箱ばっかりでね。王府井のお茶専門店は中身と箱が別売りなんで無駄が無くてよろしい。


そして少し早いが今日の観劇の場所、長安大劇院に向かった。開演時間は7時半なんだが私一人ではチケットの購入もままならん。チケット売り場で今日と明日の演目を確認し一番前の真ん中の席を確保。運が良い事に大好きな「昭君出塞」を明日やるらしい。うーん、こりゃあラッキーだ!観たかったんだよね。

看板1

MUMUさんと5時半まで長安大劇院の2階喫茶部でお茶を楽しみ見送ってからの2時間は長かったね。

しかし、ロビーで京劇のVCDを冷やかししたりして時間を潰してやがて開演。今日の演目は「乾坤福寿鏡」

言葉が判らないオイラでも十分楽しめる内容で特に主役の女性が見事な演技で赤ん坊を失い心が病んだ母親を熱演。普通なら睡魔に襲われ爆睡するんだけど最後まで見てしまった。


そして夜の10時、帰りのタクシーで観劇の余韻を楽しみながら明日のスケジュールに期待する蛾衣でした。