北京小判鮫日記4 | 蛾衣の京劇衣箱

北京小判鮫日記4

ゴールデンウィークも残り1日となるころにエンジンが掛かってきちゃったよ(苦笑)

それでね、2日目はデジカメを使う劇照店に朝もはよから出発。メインは偽ママの劇照だがそこは小判鮫。

ものは試しと鉄鏡公主を再度やることに。衣装は自慢の龍の旗装を使用することに決めていた。


ちょいとしたビルの3階でエレベーターで昇る。今までの劇照店とはちょいと違うな。ドアを開けるとそこはオフィスみたいだ。壁には色々な劇照写真が飾ってある。と、ここまでは普通だがいり口の近くにカメラマンの等身大のパネルが貼ってあるじゃん。それには有名京劇俳優のサインが沢山。結構見栄っ張りなんだね。(笑)しかし、このカメラマン(オーナー?)良く喋ること。(苦笑)


で、まずは偽ママが劇照。ローレライが偽ママの大頭を写そうとしたがカメラマン氏に断られる。この辺はお店によって対応が違うが理由は判らん。まあビジネスに徹してるのかねえ。研究用にと撮影を目論んでいたローレライはガッカリ。両把頭の後頭部を作ってくれると言うのでそれを写して貰おうと思ってたオイラもガッカリ!しかし、腕は良さそうでスムーズに撮影は終了。次はオイラだ。


鞄から自慢の旗装と花盆底、小物を取り出すとカメラマンは衣装を念入りに調べる。「劉さんの店か、良い衣装だ」と刺繍を確かめている。お店のアシスタントの女の子も衣装を見てる。ここで問題が発生。鉄鏡公主をするための絹牡丹が他に貸しているので無いらしい。「じゃあ変りに代戦公主にしましょう。」「ほえ?」「大登殿と言う劇で同じ衣装を着る役だけど鉄鏡公主と違うのは頭飾りは鳳凰で正確は凛々しいのよ」そう言えば写真で見たことがある。


今回の課題は花盆底をどう履くか?何せ前回宋先生の時、靴ベラが折れそうになりながら最後には靴下を脱いで悪戦苦闘して履いた靴だ。それで秘密兵器として使用したのがパンスト。そう薄い女性用靴下だ。(笑)これなら滑りが良いだろうと思ったのだが格好悪いのを我慢すれば便利なもんであれ程苦労した靴も簡単に履けたよ。発想の転換だね。


無事に劇照も終わりカメラマンとの打ち合わせも終わったところで世間話になりオイラが衣装を20着以上持ってる話になり彼も日本に来る話になって彼の目が輝いた。彼のコンピューターは日本での衣装調達の道が開けた!!と答えを出したんだろうな。しかし、私が「全部オーダーメイドで私のサイズで作った」と告げると彼はガックリとうなだれてしまった。残念でした。(笑)オイラの衣装を女性が着ると巾と着丈が合わないのじゃ。(実験済み)


「また来るんだろう?待ってるぞ」当然のように笑顔で言うカメラマン氏。よっぽど自分の腕に自信があるんだろうな。「勿論!」しかし、お店は移転しなんと北京京劇院の中で商売するそうだ。凄いねえ。

代戦公主1-10 代戦公主1-7