こんな工程で出来るのです。 | 蛾衣の京劇衣箱

こんな工程で出来るのです。

劇照同盟の仲間や劇迷なら知っている京劇メイクの工程ですが結構知られてないのが髪形を作る工程。

前髪の形は役柄によって違い頭に載せる冠や髪飾りで作り方が違うのです。

今日は基本的な片子(ピエンズ)をお見せしますね。まあ、モデルがオッサンなのはご勘弁を(笑)


メイクは素顔を曝したくないので飛ばします(苦笑)で、羽二重に似た物で頭を縛りその紐を利用して左右の目を吊り上げます。

この段階でスイッチが入って女形に変化するんですよ。

メイク1

で、次は8の字に形を作った片子を額の中心から一枚づつ7枚貼り付けます。これは楡の樹皮をぬるま湯に浸し粘り気が出して片子を漬けた物を上手に形を整え貼り付けますが微妙にバランス感覚を求められる作業です。

メイク2

微調整を繰り返し顔の形や大きさを考えて貼り付けて行くんですがこれで印象が決まると言っても過言では無いです。

メイク3

それで位置が決まると更に紐で縛ってずれないように固定します。勿論しっかり縛りますので結構キツイっす。

メイク4

前髪はこれで完成。で、仕上げに頬の左右に大片子を貼ると片子は完成ですがこの大片子。冬に劇照する時は曲者だ。理由は凄く冷たいのさ。(笑)それを頬に貼る時はゾクゾク!!って寒気が走るんだな。

メイク5

これからこの上に黒い水紗を巻いて行くのです。お見苦しい物をお見せしました。(汗)